自転車のかごを留めていたねじ

大学生になって初めて買った自転車は、もう相当ガタがきています。
ベルは錆びついて鳴らないし、タイヤもヒビだらけ、本体も雨風にさらされてすっかり錆びてしまっています。
それでも休みの日には、お弁当とお茶を持ってのんびり自転車でどこまでも遠出をよくします。

いつも乗せてくれる自転車には、それなりに愛着があるのですが、ある日帰宅したら、駐輪場のコンクリートの床に自転車のかごが落ちていました。
わたしの自転車です。
よく見たらねじの反対側でしっかり止めるはずの部分がすべて行方不明になっていて、床のかごのねじ穴にはねじが、2本所在無げに引っかかっていました。

そのまま外したねじを持ってホームセンターへ行き新しいねじとドライバーを買ってきて、まだピカピカの新しいねじを1つ1つしっかりと止めていきました。
今思うと、自転車のかごの無くなっていた残りのねじ2本は、大分前から行方不明になっていて、坂道を下るときや段差がある時には「がた、がたん」を悲鳴をあげていたのでした。
きっともうその時には今手のひらの上にのっている、汚れて鈍く光っている2本のねじだけで止まっていたんだなぁと思いました。

自分の街をいつも縦横に走っているので、もう消えた2本のねじがどのへんに落ちたのかもわかりません。
わたしは、もう一度ねじをよく締めて、かごがしっかりと本体についているのを確認して、満足して家へ入りました。